黒く、強く、美しい。
幻の古陶。
釉薬を使わず、1200度の炎と土だけで生み出される「灰黒色」。
平安の昔から愛され、一度は歴史から姿を消したものの、
地元の情熱によって現代に蘇った奇跡の焼き物です。
珠洲焼の特徴
黒の正体は「炭」
鉄が錆びて赤くなる代わりに、薪の「スス(炭)」が器と結びついて黒くなります。この炭の皮膜が、冷蔵庫の脱臭炭と同じように雑味を吸着。水やお酒をまろやかに変化させます。
呼吸する器
微細な気孔から水分が蒸発する際、「打ち水」と同じ気化熱の原理で器自体が冷やされます。水温上昇を防ぎ、雑菌の繁殖を抑えるため、生けた花が驚くほど長持ちします。
魔法の泡立ち
表面の微細な凹凸が、ビールを注いだ瞬間にクリーミーな泡を生み出します。泡がフタとなり炭酸と香りをキープ。高い保冷力と結露しない性質も相まって、最高の晩酌を演出します。
育つ器
使い始めはマットな質感ですが、使い込むほどに手の油分などが馴染み、鈍い光沢を帯びていきます。釉薬を使わないからこそ味わえる「経年変化」も魅力の一つです。
他産地との違い
| 有田焼 | 珠洲焼 | 備前焼 | |
|---|---|---|---|
| 耐久性 | 割れやすい |
欠けにくい (釉薬不使用のため) |
普通 |
| 機能 | 鑑賞・盛り付け |
味を変える (浄化・保冷・保湿) |
味を変える |
| 役割 | お皿が主役 |
食材が主役 (黒が色を引き立てる) |
料理と馴染む |
復活、そして世界へ
幻の古陶
12世紀〜15世紀に隆盛を極めるも、戦国時代に消失。約400年の時を経て昭和51年に復興しました。
震災による壊滅的被害
能登半島地震により、約20あった窯元の登り窯がほぼ全壊。地域の文化基盤が失われる危機に直面しました。
世界を目指す「3つの必然性」
- 1. 文化復興の国際化 「復興の物語」を付加価値とし、ブランドとして世界へ発信。
- 2. 技術の革新 海外アーティストとの交流で新たな表現を開拓。
- 3. 地域の再生 珠洲焼を核とした体験ツアーでインバウンドを誘致。
珠洲焼を、守りたい。
瓦礫の撤去、窯の修復、販路の確保。
作家たちが再び火を灯すためには、皆様の支援が必要です。
そして何より、「珠洲焼を使っていただくこと」が一番の力になります。